ウォーターサーバーは赤ちゃんのミルク作りに便利なため、多くの家庭で利用されています。
一方で「赤ちゃんのミルク作りにウォーターサーバーはダメなの?」という疑問を持つ方も少なくありません。
この記事ではウォーターサーバーを使ったミルク作りがダメと言われるのか、理由と真実について詳しく解説します。
- ウォーターサーバーが赤ちゃんのミルクにダメな理由
- ウォーターサーバーがミルク作りにダメと誤解されている理由
- 厚生労働省が承認しているミルクの水の種類
- ミルクの湯冷しにウォーターサーバーを利用することについて
ウォーターサーバーがミルクにダメな理由
ウォーターサーバーは手軽に温水や冷水が使える便利な家電として、多くの育児ママさん達に愛用されています。
しかし赤ちゃんのミルクにウォーターサーバーがダメという話を聞いたことがある方も多いと思います。
育児ママさん達に愛用されているのにダメってどういうこと?
そんなことを思ったのではないでしょうか?
まず初めは赤ちゃんのミルクにウォーターサーバーがダメといわれている理由についてご説明します。
硬度が高く赤ちゃんに負担をかける
ウォーターサーバーのミルク作りを検討する際に「硬度」という言葉を目にしたことがある方も多いでしょう。
硬度とは水の中に含まれるミネラル成分の一種カルシウムとマグネシウムの合計含有量です。
カルシウムとマグネシウムの含有量が多いものを硬水、少ないものを軟水と呼びます。
カルシウムやマグネシウムは大人も赤ちゃんも必要です。しかし赤ちゃんには硬度が高い水を与えると過剰摂取となり、便秘や下痢など体に負担をかける可能性があります。
硬度が高い水を採用しているウォーターサーバーはダメということね
赤ちゃんの腎臓などはまだ完全に発達しておらず、高い硬度の水は与えてはいけません。
WHO(世界保健機関)の硬度分類
- 軟水:0~60mg/L未満
- 中軟水:60以上~120mg/L未満
- 硬水:120以上~180mg/L未満
日本では100mg/L以下を軟水としています。
粉ミルクに含まれる菌を殺菌できない可能性
粉ミルクにはサカザキ菌やサルモネラ菌などの菌が混入していることがあります。これらの菌は赤ちゃんにとって注意すべき菌です。
サカザキ菌やサルモネラ菌などを殺菌するには70℃以上のお湯で調乳する必要があります。70℃以上で調乳することで菌が不活性化します。
しかしここで問題となるのがウォーターサーバーからお湯が出ない問題です。
赤ちゃんのミルクは70℃以上のお湯で作る必要があります。
ウォーターサーバーがお湯が出ない原因
- お湯の電源が入っていない
- ボトルが空になっている
- お湯を一度に大量に使用した場合(15分〜20分あけるとお湯がでる)
- 水が無くなってボトルを新品に変えた直後
- ウォーターサーバーの故障
- クリーン機能が作動中
メーカーのよってお湯が出ない時の原因は異なります。
ウォーターサーバーを使う場合、温度の確認が必要ね
心配な人は温度計を使うことね。
ウォーターサーバーの温水の温度が70℃に達していない場合、菌を十分に殺菌することができません。
そのためウォーターサーバーでミルクを調乳してはダメといわれる原因になっています。
結果として赤ちゃんが健康リスクにさらされる可能性があります。これは赤ちゃんの安全を最優先に考えるすべての保護者にとって大きな懸念事項となります。
だけど基本的にウォーターサーバーは80℃〜90℃で保たれているわ
仮にウォーターサーバーの水温が低い場合は追加でお湯を沸かし温度を上げる別の加熱方法などで代替え手段を検討する必要があります。
ウォーターサーバーの衛生面
ウォーターサーバーを清潔に保つためには定期的なメンテナンスが大切です。
メンテナンスや衛生管理を適切に行われていないと赤ちゃんの健康を害するリスクがあります。
ウォーターサーバーの注ぎ口に雑菌がついて放置してしまうと、菌が増殖してしまいます。
またウォーターサーバーボトルの取り扱いや保管方法などに不備があると菌の混入や増殖のリスクが高まります。
そのためサーバー本体を清潔に保ちましょう。
具体的な対策方法は注ぎ口を除菌や洗浄する。ボトル差し込み口には触らないなど、対策をして清潔に保ちます。しかしメーカーや各モデルによりメンテナンス方法は違います。そのためモデルごとのメンテナンス方法に従いましょう。
不潔な環境のウォーターサーバーで赤ちゃんのミルクを作ってはダメといわれるのは当然ですね。
赤ちゃんのいるご家庭では特にウォーターサーバーの衛生面に注意し、清潔な状態を保つことが大切です。これによりウォーターサーバーを安心して使用し、家族の健康を守ることができます。
ウォーターサーバーの水が冷たすぎる
ウォーターサーバーの冷水は4℃〜12℃とかなり冷たくなっています。冷水を多く使ってしまうとミルクの温度が下がり、赤ちゃんの体温を奪ってしまいます。
また赤ちゃんに冷水を直接あげてしまうと、胃に刺激を与えて下痢になる可能性もあり体に負担をかけてしまいます。
ウォーターサーバーの冷水は赤ちゃんにとって冷たすぎるので温度管理を行い、人肌程度の飲み物を与えるようにしましょう。
ウォーターサーバーが赤ちゃんのミルクにダメは誤解
ウォーターサーバーを使った赤ちゃんのミルク作りはダメという誤解が広まっていますが、実際のところ一概に正しいとはいえません。
しかし不安を抱えている方もいらっしゃるかも知れません。
ウォーターサーバーの水が赤ちゃんに適しているかどうかは、水の種類やサーバーの特性、使用方法により違うのよ。
現代のウォーターサーバーで赤ちゃんのミルクを作ってはダメという情報は見当たらず、実際は多くの情報源でウォーターサーバーを使ったミルクの作りの便利さや安全性が強調されています。ウォーターサーバーの水は品質管理が徹底されており、赤ちゃんのミルク作りにも適しています。適切に扱えば安全です。
なぜこのような誤解が生まれたのか、ウォーターサーバーが提供する水の安全性と衛生面について詳しく見ていきましょう。
ミルクにダメと誤解された3つの理由
ウォーターサーバーが赤ちゃんのミルク作りにダメだと誤解された理由はいくつかあります。
- ミネラル分が多いという誤解
- 殺菌方法の違い
- 情報不足
ミネラル分が多いという誤解
水の硬度が100mg/Lを超えない水を使用していれば、赤ちゃんの健康には問題ありません。
赤ちゃんのミルクの調乳に安全な水の硬度は60mg/Lといわれています。
ミネラル分のカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を硬度と呼ぶわ
ウォーターサーバーでは硬度が90mg/Lある種類もあります。これは赤ちゃんの調乳に安心といわれる60mg/Lの硬度をるかに超えています。
100mg/L以下なら問題ないと言われていても心配になるわ
水の硬度が80mg/Lでも調乳に安全といわれる硬度を超えている心配から、ウォーターサーバーでミルク作りはダメという誤解が生まれました。
実際にウォーターサーバーでは60mg/Lを超える水が多く存在しています。
日本の水の硬度の平均は約50mg/Lで東京の平均は60mg/Lよ
心配しすぎることはないわ
一方でウォーターサーバーの水の硬度は1mg/Lからあります。水の硬度が心配な方は硬度が30mg/Lなど低い硬度の水がたくさんあるので安心して選べます。
ウォーターサーバーがミネラルウォーターを採用しているところから始まります。ミネラルウォータといえば硬度の高い水(硬水)であると認識されていました。「皆さんもミネラルウォーターと聞くとミネラルが多く含んでいるイメージを持ちませんか?」このイメージからミネラルが多い水は赤ちゃんにダメとウォーターサーバーが組み合わさりウォーターサーバーはミルクにダメとイメージされるようになりました。
水の殺菌方法の違い
ウォーターサーバーの水は法律による安全基準をクリアして厳しい水質検査を行なっています。
しかし水道水とは違う方法で殺菌されています。そのため殺菌が不十分なのではないかという不安からミルクに使うは心配との意見があります。
天然水の殺菌方法
加熱処理 | 非加熱処理 | |
1.採水 | 大自然の地下水 | 大自然の地下水 |
2.ろ過 | フィルターろ過 | フィルターろ過 |
3.殺菌方法 | 加熱殺菌 | フィルター殺菌・オゾン殺菌・紫外線殺菌 |
メリット | 殺菌効果が高い、低コストでできる | 加熱による成分変化がなく、自然の状態に近い |
デメリット | 非加熱処理より溶解酵素が少なく味が落ちる | コストがかかる |
RO水の殺菌方法
RO水 | |
1.採水 | 川・水道水 |
2.ろ過 | 活性ろ過装置 |
3.ろ過 | RO膜(逆浸透膜) |
4.殺菌方法 | オゾン殺菌 |
メリット | 価格が安く、不純物が一切入っていない、安全性が高い |
デメリット | ミネラルまで取り除かれ、人工的に後でミネラルを添付 |
RO水は海水を真水に変えられるほどのフィルターを使用し1000万分の1mmまでの不純物を除去します。そのため水以外の不純物が0に近いレベルでありません。
しかしミネラル成分も一緒に除去されます。ミネラル成分がないと飲みにくいため、後で人工的に添付しているところが多いです。
赤ちゃんのミルク調乳に勧められることが多いです。
情報不足
ウォーターサーバーが赤ちゃんのミルク使っていいのか、不安に気持ちになるのは当然です。
不安になるということは赤ちゃんのミルクにウォーターサーバーがダメなのか良いのかわからない状態です。
昔はインターネットが現代のように普及しておらず、病院や親、周りのママさん達からの情報しか無くミネラルが多いのはダメと、漠然とした答えでした。
そのためウォーターサーバーの水もミネラルが多いとのイメージでダメという意見もありました。
現代は赤ちゃんのミネラル分に関する情報も増えています。昔と現代の情報の違いや、十分に情報が伝わっていないため誤解が生まれることがあります。
昔はウォーターサーバーで赤ちゃんのミルクを作るのはダメだった
ウォーターサーバーでミルクを作ってはダメ!!!
「せっかくウォーターサーバーを導入したのに、ミルク作りには使えないなんてショック….」
これから赤ちゃんのミルクに使いたいのダメなの?
実際にはウォーターサーバーでミルクを作ってはダメという時代があったんだ
- ウォーターサーバーの普及率が低かった
- ウォーターサーバーの水質に関する情報不足
昔はウォーターサーバーの普及率が低かった
昔は水道水やミネラルウォーターを沸騰させてミルクを作るのが当たり前です。
そこでウォーターサーバーの普及が1980年代に登場し、利用する人はほんの一部だったようです。また飲料水の水質基準も現代ほど厳しく決められていませんでした。
昔はウォーターサーバーは怪しいイメージだったみたい
日本におけるウォーターサーバーの普及率は2007年で1.3%だったのが現在は8%と年々増加しています。
アメリカでの普及率は約50%と言われているわ
昔はウォーターサーバーの水質に関する情報が少なかった
普及率も少なく怪しい存在だったウォーターサーバーは硬水を利用していることもあり、赤ちゃんにはダメという情報だけが広まっていたと考えれます。
またウォーターサーバーとミネラルウォーは硬度高いイメージがあり、ミルクに使ってはダメと言われていました。
しかし近年ではウォーターサーバーの普及が進み、軟水であるなど水質に関する情報が正しく伝わります。
正しく伝わることでミルクに使用しても大丈夫とわかります。昔はインターネットも今みたいに便利ではなく、情報が広まりにくかったのです。
当時は厚生労働省のミルクの水質基準も定めれておらず、2007年に厚生労働省のホームページで調乳に関するガイドラインが公開されました。
また基準が明確になったことでも、赤ちゃんのミルク作りに適した水が提供するメーカーも増えていきました。
赤ちゃんにウォーターサーバーの水でミルクを作っても大丈夫?
赤ちゃんにウォーターサーバーの水でミルクを作っても問題ありません。
厚生労働省が認めている
厚生労働省の「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」では赤ちゃんのミルク作りについて以下のように記載されています。
①水道水②水道法に基づく水質基準に適合することが確認されている自家用井戸等の水
③調整粉乳の調乳用として推奨される
厚生労働省
のいずれも、水道法に基づく水質基準に適合していれば使用できます。
つまりミネラル分が適切な範囲であればウォーターサーバーの水もミルク作りに使用できるということです。
またウォーターサーバーの水は水道法をクリアしています。
調整粉乳の調乳用として推奨されるとは?
調整粉乳とは粉ミルクのことです。母乳の成分に近い栄養などが調整された粉乳という意味です。
調整粉乳の調乳用として推奨されるという意味は、安全に調乳するために推奨されている水と言う意味です。
ウォーターサーバーは安全で衛生的な水
ウォーターサーバーは水道法を当然クリアしており、どのメーカーも独自の厳しい基準を設けています。
また水放射線検査や水質検査を実施しており、検査結果を公表しているメーカーもあります。
採水された水の不純物を取り除き、高度な浄化装置で安全で衛生的な水を作っています。
赤ちゃんのミルク作る際に安心して利用できるだけではなく、日々の飲料にも適しています。
ミルクにウォーターサーバーを湯冷ましとして使用は可能?
熱いミルクを早く冷ましたいと思うママさん達が多いと思います。
ここで疑問になるのが、湯冷しとしてウォーターサーバーを利用することはできるのかです。
実際ウォーターサーバーの水を湯冷しの代替えとして便利に使うことができます。
ウォーターサーバーの多くは冷水と温水の両方が備わっています。赤ちゃんに適した温度のミルクを早く作ることができます。
ウォーターサーバーを使ったミルク作りは熱い水を冷ます手間を省き、赤ちゃんに適した温度のミルクを早く作ることができます。
例えば温水を使用して粉ミルクを溶かし、その後サーバーの冷水で温度調整を行うことが可能です。
夜中の授乳時に特に便利で熱湯を冷ますために長い時間を待つ必要がなくなります。
赤ちゃんのミルクにウォーターサーバーを使う時には注意するポイント
粉ミルクを水で割ってもいいか確認する
粉ミルクを湯冷しの水で割ることが適切かは粉ミルクのメーカーによって異なります。そのため粉ミルクを水で割る前にメーカーが湯冷しを使って良いという記載があるか確認しましょう。
各メーカーの粉ミルクには調乳方法について具体的な指示が記載されています。これらの指示は赤ちゃんの栄養バランスや安全を考慮しているため正しく従うことが必要です。
ウォーターサーバーを清潔に保つ
赤ちゃんのミルクにウォーターサーバーを使用する際は衛生面に注意を払いましょう。
ウォーサーバーの不適切な管理は不衛生になってしまう場合があります。
ウォーターサーバーの注ぎ口は取り外せる場合は洗剤を使って洗うなどしてメンテナンスを行いましょう。
またボトル交換時には、ボトル差し込み口を消毒するなどして清潔に保つことが大切です。
清潔に保つには定期的にメンテナンスが必要ですが、メンテナンス方法は各メーカーやモデルごとに異なります。
70℃以上のお湯が出るか確認する
赤ちゃんのミルクを調乳する際に特に重要なのが、お湯の温度です。
粉ミルクに含まれる可能性のある菌を効果的に殺菌するためには、お湯が少なくとも70℃以上の温度であることが必要です。
ウォーターサーバーの多くは80〜90℃でお湯の温度が保たれています。
しかしクリーン機能やエコモードなどが作動している場合には、必ずしも70℃以上のお湯が出るとは限りません。
サーバー本体のモデルにより異なるため、設定を確認することをおすすめします。
また70℃のお湯が出るか心配な方は温度計を使用して確認することもできます。